TD-4Jを使った分析例

レトルト食品、冷凍食品用包装材からのアウトガス分析

 

ガスバリア性と耐熱性が優れている2層から5層の包装材をカッターにて細断して試料とし、電子レンジ加熱やボイル加熱に近い条件で、直接加熱脱着法によりToluene換算にてアウトガスを簡易定量した。

内側のフィルムのみを試料とした場合には、外側からの浸透が検出できないので、また水にて100℃にボイルすることから、全体を試料とした。

 

 

試料     LZ-10  NYPE             11.4mg

       BY-12  バリアNYPE          9.3mg

       AL-10  PET,AL,PE            11.0mg

       AL-E   PET,SPE,AL,SPE,PE       10.9mg

              材質   NY  ナイロン

            PE  ポリエチレン

            PET  ポリエチレンテレフタレート

            AL   アルミニウム

            SPE  接着用ポリエチレン

            表記の左から右へ外側から内側を示す

 

 

装置     加熱脱着装置  TD-4J

       GC-MS     JEOL Q1000GCk9 7890AGC

 

 

条件     試料加熱    85℃ 5min

       Cryo      −60℃ 、再加熱 200℃

       GC    Inj  200℃  Split 10:1

         ColumnTemp 40℃ 3min 10℃/min 200℃ 

minhold エージングのため20℃/min220℃5min

Column   Aquatic 0.25x60M 1.0μ 1.0ml/min

 MS イオン源温度   250℃

    GCIF温度    220℃ 

 70eV  150μA  −1000V

 

 

結果  特異ピークとしては、Decane,Dodecane,Tetradecaneが検出され、多層になるほど低溶出となる。(Toluene換算0.026ppm4.73ppm)またレトルト臭の原因と思われるEster類は、5層が低溶出となる結果(Toluene換算0.372ppm0.843ppm)になった。

                   

                         液クロサイエンス()

再現性テスト:食品包装ラップからのアウトガス